今更ですが、2010年の女児向けアニメは豊作でした。
というか、グダグダになってしまった(原因はなんとなく見えるけど)、夢パティを別にして、「ハートキャッチプリキュア!」と「ジュエルペットてぃんくる」の出来が非常に良かった!
この2作は近年稀に見る名作と言い切ってしまいましょう!良かった!すげー良かった!
で、今年。
8年目6チーム目のプリキュアは音楽がテーマ「スイートプリキュア♪」
…ハートキャッチの終盤の予告あたりから思っていた危機感がズバリ的中。
視聴率とマーチャン、苦戦しているのでは…?
どうしても前年との比較になってしまうんだけど、ハートキャッチの特徴は「線が少ない・プリキュアとしての変化球ばっかり」だったといえる。
「どれみ」系の線の少ないキャラデザは、結果としてアニメの重要な「顔」がキレイに描けるという利点もある。その上で、ハートキャッチは声優のキャスティングもおかしかった。今更そのベテランにその年齢のキャラをやらせるか?というほど。これが逆に、クオリティを高いまま安定させた。
しかして「スイート」。
絵を見て、プリキュアシリーズファンならパッと思い出すのは「フレッシュ」。
女児よりも大きなお友達意識か?というエロ系のデザインであったが、それは逆に斬新だった。
今年は、「無印(MH)」に近い人間関係と、「SSのような配色」で「フレッシュ」的なデザイン、更に「フレッシュ」から継続している3DCGのEDと、はっきり言って新鮮味の無い構成なんである。
その上で、服の線が多いから顔に意識が行き届かず、あまり可愛くないシーンもある。
実はこっそり、「似たもの同士」の演出なのか、ギャグ顔をふたりともやったり、差をあまりつけていないなどの今年ならではの特徴は無くは無いのだが、まあ、地味…で、逆に足を引っ張っている感もある。
唯一の救いは、メイン役の声優が実力があることで、演技力でカバーしている面すらあること。
あとは、「ハートキャッチ」から登場の「敵プリキュア」(になるであろう猫の人間態)が一番可愛いことかな…。
今後、追加のプリキュアがどうなるか?で二転三転するはず。期待したい。
「ジュエルペットサンシャイン」
これまたサンリオ系では超変化球だった「てぃんくる」…でも魔法少女としてはかーなーり!いい出来だった。最後は泣いた。絵も線の少ないデザインを活かし、高いレベルで安定していた。
ジュエルペットシリーズ3作目の「サンシャイン」はこれまた癖球だ。
「ふたご姫」の2期目のような、学園モノになり、しかも人間とジュエルペットは同じクラスメイトという扱い。これまでの契約システムは維持するものの、その存在はかなり対等になった。
更に人間側のメインヒロインは黒髪ロングのツンデレお嬢様。
個人的にはとっても好みのデザインなんだけど、普通は3番手くらいのサブヒロイン格。
これがどう転ぶか?…絵のクオリティは相変わらず高く可愛いので、これも毎週楽しみにできそう。
さて今期ビッグプロジェクトが「プリティーリズムオーロラドリーム」だ。
もはや定番となった、カードゲーム筐体のひとつを徹底的に本編に取り込んだ、日本アニメのまっとうな後継作品である。
とにかく何が凄いって、モブが動かない影。影だけ。ダンスシーンですら。
子どもはどう受け止めたかはわからねど、オトナはデジャブを感じたはず。
…そう、「エースをねらえ!」だ。あの画面構成!
スケートダンスシーンはゲームの流用??3DCGでキレイにしつつ、手を抜くところは徹底的に抜いていて、大人の事情とクリエイターのあけっぴろげな創意工夫が、なんとも日本のアニメだ。
その癖、OPでサブヒロインの立ち位置が左右違ってたりする隙の多さも気になるんだけど…。
いずれにせよ、プロジェクトそのものは大きいので、今後も何をするのか目が離せない。
しかし今年はクオリティでいえば「ジュエルペット」がぬきんでてしまい、ちょっとあとの2作が低すぎる…そういう意味では昨年より楽しみに欠ける感もあるけれど、まあー夏あたりの商戦がどうなるか、その辺まで期待して待ちましょう。
男児向けも「イナズマイレブン」が新シリーズになったり「ダンボール戦記」など「レベルファイブ」の作品が気になりつつ…。