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評価:
松 智洋
集英社
¥ 616
(2015-01-23)
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祐太は、卒業が近いのに就職が決まらず焦る日々を送っていた。祐太はバイトと就職活動に忙殺される。そんな祐太たちを温か
く見守る小学校教師となった織田莱香はひとつの決意を固めつつあった。大人気アットホームラブコメ、激動と感動の第17幕!
(Amazonより抜粋)
今回完全にネタバレです。ご注意。
この作家さんは、自分のキャラを愛しすぎて、展開をコントロールできなくなるのだと、今巻で確信しました。
前作「迷い猫〜」でもそうだったので。
最終18巻は専門店で画集とセットで購入すると特典がもらえるキャンペーンがあるはずで、両方買う気でいたけど…画集だけに変更、に決めました。
それにしてもこの方、これならガールズレーベルで書いた方が支持されるんじゃないかなぁ。
感情の迸りで全てをひっくり返してしまうと、男性向けにはちょっとね…。
ただまあ、最初からこの展開も予期できていたのですが…プロセスがあまりにも悪い。
17巻は最後の数ページの結論ありきで、莱香と空の形容が同じものを何度も何度も繰り返し、主人公のドラマを無くし、そして唯一ちゃんとした大人だった伯母までそれまでの一般常識としての判断をしない。
いや、娘として養育してきたものを完全に駄目にしてしまうことでしょう、これまでの伯母さんなら意見してたでしょう…それが出来ていない時点で、もうこのシリーズの一番いいところがこの巻では無いんです。そのせいで逆に評価がひっくり返っちゃう。
せめて家族旅行もあったのだから17巻のうちに、娘としてではなく、女性として意識させておけば、そして伯母がきちんとその点を示唆し、その上で覚悟を持ってのこの締め方であれば、まだマシだった。
…んだけどなぁ…この巻でもギリギリまで娘だとしてやってきてるのに、最後だけ全てのキャラの判断が異常なんだよなぁ。
挿入されるひなと莱香のエピソードがこれまで通りのいいものだっただけに、正直、落胆というかガッカリ感が半端無い…。
そうか、それかここで莱香OKにして18巻までで数年後にすっとばすとか、何か別の展開でもまだ良かったはずなんだけど…どうしてこうなった…?
(…やっぱり冷静に展開をコントロールできないくらいに作家が思い入れを持ってしまうのだとしか思えない…)
文章としては星マイナス4。なかじま先生のイラストがあるのでそれで5つリカバリして星ひとつ、って感じ。
てか、ハナっから授業参観の口絵イラストと本編の内容違うしね。
これはもしかして編集さんも泣かされたというか、どうしようもなかったというクチか…?
ラストの18巻、どうなりますやら。
これでまったく期待しないで読めるので、もしかしたら多少はいいところを見つけられるかも。