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評価:
松 智洋
集英社
¥ 617
(2015-03-25)
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想いを込めた告白を受けて、祐太と空の関係は次第に変化していく。パパ代理であった祐太にとって、娘を恋愛対象とするのはとても難しかった。五年を越える時を経て、小鳥遊家は遂に新しいステージへと歩き出す。大人気ドタバタアットホームラブコメ最終幕、感動の大団円へ!!
(Amazonより抜粋)
これもしかしてスーパーダッシュ文庫の最後の1冊になるの?
あー、やっぱりそのまま空エンドなのね…と落胆しつつ、途中でビデオ映像の伏線を回収しつつ、“泣かせる”シーンを演出するあたり、上手いことは上手いんですよね。
正直、空エンドないわー超ガッカリだわーだけど、中盤から終盤にかけては読めちゃうんだもの。結婚式のビデオのシーンは反則。嫌でも泣かされるんだもの。よくないズルさだよこれ。
その上で、構成的に無駄に時系列をいじったのは、これは莱香の心情を描きにくくするためだけとしか思えないのがまた小ざかしい感じで鼻につくんだよなぁ。
まあ、そもそも空エンド自体は王道のひとつだし、そこに至る経緯がじっくりしっかりしてれば、さほど“家族愛と恋愛を取り違えたアレルギー”…ある意味では俺妹系アレルギーといっていいかも…を起こさなかったのではとは思うんですが。
これは作者の感情コントロールが出来ない部分なんだろうなと…ああでも、その感情の昂ぶりはある意味で作品を作るということだろうし、このノイズを出す物語の締め方は、もう作家カラーだよね…うん…。
最後まで、娘としてみている主人公がブレないので、それはいいんですけど、だったら空エンドは無いよね。普通。
その普通さ…最後でよし子伯母=一般常識がブレたのが、この作品の一番良かったところをブレさせ、多くの読者をガッカリさせたという部分では、あまり嬉しい終わり方ではなかった。もうこの人のシリーズ、読まないだろうな。
そんななか、なかじまさんの絵だけがどんどんと輝きを増していたのが救いですよ。
なかじま絵だけで星3つ!なのです。
あーあ。